病気

犬の感染症について。※ワクチンは必ず打ってください

細菌やウイルスなどが体内に侵入して増殖することが「感染」です。感染症とは感染によって病気が起こった状態です。

 

また、狂犬病をはじめ、レプト ピラ症、カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症など動物から人間にうつる感染症があり、それらを「人獣共通感染症」などと呼びます。

 

人間同様、犬の感染症にも予防のためのワクチンがあります。どの感染症もそれぞれのワクチンで予防しておけばかからなかったり、かかっても軽症ですみます。

 

海外では 3年に1度の接種が主流の国もありますが、日本ではワクチン自体の接種率が低くて感染する危険性が高いことと、免疫を保てる期間は犬によって個体差があるので、高い免疫力をキープするためにも、毎年接種しておくといいでしょう。

 

今回はいかにワクチンが重要なのかを飼い主の皆さんに理解して頂く為、ワクチンの接種を怠ると恐ろしい病気を発症してしまう可能性があるという事を紹介していきます

✅致死率の高い感染症はワクチン接種による予防が重要

✅日本では撲滅している狂犬病が再び発症したときの蔓延を防ぐには国内でワクチン接種率が7割を超えている必要がある

✅寄生虫には内部寄生虫と外部寄生虫があり、いずれも飼育環境を衛生的に保つことが大切

✅犬から人へ移る共通感染症がある

 

犬パルボウイルス感染症

 

※伝染力が強く致死率も高い

 

初期症状

腸炎型と呼ばれる一般的なもの では、激しい嘔吐から症状が始まります。その後、下痢・血便が続くようになります。

 

 

発症すると嘔吐と下痢が続き、脱水症状などを起こして数日内に死亡する危険性の高い病気です。

 

抵抗力の弱い幼犬では、治療が遅れると2日以内におよそ9割が、成犬でも2~3割は死亡することがあります。

 

激しい下痢便に続き、血液の混じった粘血液便が出るようになります。

 

診断においては白血球の減少も特徴的な所見として挙げられます。感染した犬の嘔吐物や便から容易にほかの犬に経口感染を広げるため、発症した犬はいち早く隔離して治療しなければなりません。

 

また、発症した犬がいた環境を徹底的に消毒しなければなりませんが、アルコールなどの消毒薬ではウイルスは死滅せず、塩素系の消毒薬などを使用する必要があります。

 

犬パルボウイルスに対する薬はありませんが、脱水症状の対症治療や、ほかの感染症を予防するための抗菌薬の投与などを行います。 ワクチンでの予防が重要です。

 

犬ジステンパー

 

※感染力が高く神経症状も出る

 

初期症状

高熱が出ます。また元気消失、食欲不振、下痢・嘔吐、目やにや鼻汁が出るといった症状なども見られることがあります。

 

免疫力が高い成犬では、症状がごく軽度のまま治ることもありますが、免疫力の弱い幼犬や老犬では死亡率の高い感染症のひとつです。

 

口や鼻から強い感染力で体内に侵入したウイルスは、最終的には脳まで広がり神経系が冒されて、行動の異常やけいれんなどが見られ、マヒなどの後遺症が残る場合もありす。

 

治療はジステンパーウイルスに対する薬がないため、症状を抑える治療を行うことになります。 ワクチンでの予防が重要です。

 

犬伝染性肝炎

 

※混合感染で致死率が高まる

 

初期症状

授乳期以降から1歳未満の子犬が感染して発症することが多いですが、症状は軽症のものから短時間で死亡するものまで様々見られます。

 

犬アデノウイルスI型の感染によって発症します。

 

感染力の高いウイルスで、口から入って2~8日の潜伏期間を経たのち、急性の肝炎になります。

 

元気の消失、食欲不振、鼻水などが見られたり、0度以上の高熱が5日前後続いたりします。

 

1歳未満の子犬では、とくに症状を示すことなく突然死を起こすケースもあります。

 

ほかの感染症との混合感染によって死亡率が高くなるため、治療では二次感染を予防するための抗菌薬の投与は欠かせません。また、肝臓の 機能を回復させる治療を行います。

 

犬アデノウイルスI型は、感染後およそ6カ月間にわたって尿から排出され、排出後もおよそ3カ月は死減しません。そのため、飼育環境の消毒も非常に重要となります。ワクチンでの予防が重要です。

コロナウイルス感染症

 

※子犬への感染では重篤化

初期症状

症状の出やすい子犬では、元気消失と軟便から下痢へと進行します。

 

成犬の場合は軽度の胃腸炎で済むケースが多いのですが、子犬では犬パルボウイルスとの混合感染で重症になります。

 

下痢についで嘔吐になり、脱水症状を起こすとそのまま突然死をする子犬が少なくありません。

 

犬コロナウイルスに有効な薬はないため、下痢や嘔吐に対する対症療法を行います。また、二次感染を防ぐため、抗菌薬の投与も行います。

 

嘔吐物や排泄物に排出されたウイルスから経口感染で拡がります。飼育環境の消毒やワクチンでの予防が重要となります。

 

ケンネルコフ

 

※咳が特徴的

初期症状

乾燥した感じの短い咳をするようになります。

 

犬伝染性咽頭気管炎とも呼ばれ、がんこな咳が主な症状です。

 

運動時や興奮時などに咳は発作的に現われることがありますが、日常的には比較的元気に過ごしていることが多いでしょう。

 

微熱とともに数日間で咳が終息すれば問題ありませんが、混合感染 起こすと高熱が出て肺炎へと移行する危険性があります。

 

犬アデノウイルスI型とパラインフルエンザウイルス、マイコプラズマ、ボルデテラ菌などが原因となります。

 

 

感染犬のくしゃみや咳での飛沫感染が広がっていくため、ワクチンの接種による予防と、飼育環境を衛生的に保つことが重要となります。

 

発症した場合は、気管支拡張剤や咳止めなどの呼吸器系の対症療法を行います。また、原因がマイコプラズマや細菌であった場合には、効果のある抗菌薬による治療も可能です。

 

レプトスピラ症

 

※ドブネズミが保菌。人にも感染する。

 

初期症状

高熱や食欲不振が見られたのち、目の結膜や口の粘膜が充血してきます。

 

動物から人にうつる共通感染症のひとつ。

 

主にドブネズミが菌を持って感染源になっていて、その菌が尿から排泄されて、人や動物の健康な皮膚に菌が触れただけで感染します。

 

 

症状が現れた場合、犬では致死率が高いので注意が必要です。レプトスピラ菌には多くの種類があり、感染する菌によって出血型と黄疸型に大別されます。

 

消化器が菌におかされると嘔吐や血便が現われ、泌尿器がおかされると尿をしなくなったり、尿毒症になります。

 

肝臓がおかされた場合は 腹部の皮膚や目の結膜や口の粘膜の黄疸が見られます。細菌による感染なので、抗菌薬の投与により菌を死滅させる治療を行います。

 

ある調査によれば、東京のドブネズミは高率でレプトスピラ菌に感染していることがわかっています。

 

もともと、昭和10年代には毎年数千人の規模で発生して千人近くの人が死亡するほど危険な感染症でした。

 

その後発生数が激減したものの、平成17年には17件、平成118年には20件の発生例があります。

 

東京都、沖縄 、宮崎県などここ数年で発生率の高い地域で犬を連れて屋外に出る可能性があれば、かかりつけの獣医師に相談のうえ、ワクチンの接種も考慮しておくといいでしょう。

 

水中で長く生き続けるため、発生 地域では愛犬の散歩時はたまり水を飲まないようにしましょう。

 

狂犬病

 

※致死率100%。人にも要注意

 

初期症状

高熱や食欲不振が見られたのち、目の結膜や口の粘膜が充血してきます。

 

人にも感染する人獣共通感染症のひとつです。

 

発症した動物から咬まれることによって感染します。犬が狂犬病に感染した場合は「狂騒型」と「麻痺型」と呼ばれる2タイプがあり、狂騒型では、激しく興奮して咬むなど攻撃的な行動を示します。

 

 

また麻痺型では、麻痺により食物や水が飲み込めなくなります。

 

人の場合は、強い不安感、一時的な錯乱、水を見ると喉の筋肉がけいれんする恐水症、風にあたるとけいれんする恐風症、高熱、麻痺、運動 失調、全身けいれんといった症状を示します。

 

最後は犬も人も同様に、いずれも症状が進行すると死に至ります。

 

病名に「犬」が含まれていますが、 キツネ、コウモリ、イタチ、アライグマなども狂犬病ウイルスに関して高い感受性を持っており伝播動物となります。

 

 

ケニアでコウモリに咬まれたオランダ人女性が狂犬病を発症した例などもあります。

 

狂犬病ウイルスは、実は比較的弱いウイルス。石けんや消毒薬で死滅するので、万が一、動物に咬まれて 感染した疑いがあるならば、まず流水で石けんをつけて十分に洗いましょう。その後なるべくはやく、海外では現地の病院へ行き、連続した「曝露後ワクチン」の接種を開始してください。

 

ウイルスは唾液に多く含まれ、傷口から侵入すると近くの 神経にたどりつき、その神経を伝って移動を開始したのち、脳にたどりつくと神経症状が出て治療不可能となります。

 

発症以前に曝露後ワクチンを打てば、狂犬病の発症を抑えられます。

 

狂犬病は、発症前に確定診断することもできないため、愛犬を狂犬病から守るには、予防接種しかありません。